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書道の基礎知識 - 墨(すみ)

■書道の基礎知識-書道の道具

書道の善し悪しを決めるのは自分の腕が大きくものを言いますが、墨の存在も欠かせません。

③墨
墨は深いものを持っている気がします。その固形墨の磨る具合で、和紙などに映し出される墨の濃淡の出来具合がまったく違ってくるからです。
墨はこの濃淡の違いで、表現力が大きく異なってくるのです。
墨の磨り方一つで実に深いものを持っている気がします。

墨の種類とは

墨には大きく分けて二種類あります。膠(にかわ)が多い油煙墨と、膠(にかわ)が少ない松煙墨(青墨)です。習字とか書道の漢字作品に使われるのは油煙墨の方です。油煙墨は書に光沢と深みが出るのが特徴です。
そして、仮名書道などの淡墨作品に使われたり、水墨画に使う墨が松煙墨(青墨)になります。

墨の種類の使い分けで3つの濃淡が

膠の量が多い固形墨で磨ると、濃淡の濃いどろっとした、濃い墨が出来上がります。膠の量が通常の固形墨で磨ると、少々どろっとした液体の中墨になります。それに対して青墨は、いくら磨ってもサラサラしていて、色合いも灰色?ぽい感じにしかならないので淡墨になります。
このように濃墨と中墨と淡墨の三つの兼ね合いで、墨の濃淡が生まれてきます。この墨の濃淡には本当に惹かれます。それによってその作品の表情が大きく違ってくるからです。書道で収入を得る方などは、いろんな工夫をして作品のクオリティをさらに高めているのでしょうね。また、その日の気分によって濃淡を使い分けるということもできそうですね。

書道塾で墨を磨った想い出
子供の頃書道塾に通い、用具など一通り準備したら、まず墨を作ることから始めます。水が入った器から、硯に水を適量注ぎます。そして力強く硯の上で擦り始めます。その固形墨の摺り方と水の量で墨の濃さが決まります。一通り、その仕事が終わると下敷きと半紙を用意し、いよいよ書を書く手はずとなります。
最初の一枚を書いてみて、その濃さが薄ければ、もう一度固形墨を磨って濃さを足していきます。書道大会に出品する際には、自分なりに墨の濃淡を調整しながら、最も光沢のある作品になるよう、仕上げていくのです。


 
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